競泳 パリ2024代表選手選考会に出場の水口知保さんを支える、Hair Magic MIZUGUCHIさん

私（水口元之さん）は横浜市南区出身です。３代続く理・美容一家に育ち、祖父や父が地域に根差して信頼されながら仕事をする姿に影響を受け、1996年12月、26歳の時に今の店を開きました。

理・美容師の３代目とはいえ「ゼロ」からのスタートでしたので、谷矢部東の町内の皆様をはじめ、「河原不動産」「石松商店」「カラサワ電器」「まるだいクリーニング」「坂西医院」といった多くの皆様に支えていただき開業することができました。皆様のお力添えがなかったら、28年もの間、谷矢部東で仕事を続けられなかったと感謝しています。

私たち家族は現在、坂本町内会に自宅がありますので、妻（喜美枝さん）は半世紀近く上矢部に住んでいることになりますね。矢部小・鳥が丘小学校、戸塚中学校の出身で、「理・美容室を開くなら絶対に谷矢部」と決め、喜美枝の小・中学校時代にご縁のあった河原不動産に相談に行きました。懐かしい思い出です。

店で大切にしていることは２つです。

・お客様のお話をしっかりと聴いて、ご要望をくみ取ること

・笑顔で帰って行かれる姿を確認すること

ヘアスタイルだけでなく、お悩み、ご趣味、お好きなこと、ご家族のことはもちろん、その日のお顔色や会話内容も28年間、カルテに記録しています。AIにはできない「人と人とのコミュニケーション」が大好きなんです。ITで便利になっても「髪」という身体の一部を預けてくださる信頼にお応えしたいと願い、現在０歳～107歳までのお客様をお迎えしています。谷矢部東の皆様に寄り添い、「また、明日！」と言えるような、また近所の灯りとなるような「居場所としての店づくり」をスタッフ一同でめざしています。

知保には生後間もなくから、重度の食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎がありました。早朝に救急車を呼んだりして、近所の皆さまをお騒がせしたこともたびたび。

ある日、お医者様から「ぜんそくの治療のため、肺が強くなる『水泳』を習ってみては？」と勧められました。本人も姉が通っていた水泳の練習を見に行き「楽しそう！」と思ったことをきっかけに、セントラルスポーツクラブ東戸塚で５歳の時から泳ぎ始めました。

また、「しらかば幼稚園」に通い、当時、園にあったプールでは夏になると「『止めていいよ』というまで泳いでいいよ」と、いつまででも泳がせてもらったのが嬉しかったようです。夕方は園の門が閉まるまで、着ているジャージを泥だらけにしながら裸足になって、まんまるな「ドロ団子」ひたすら作っているのも優しく見守ってくださいました。歌とダンス、リズム体操、お絵かき、図工も大好き。ひな祭りをはじめとした季節の行事、お誕生日会、おゆうぎ会もとても楽しみにしていました。

園長先生・理事長先生には、小学生の知保がハワイ大会出場の際、遠路ハワイまで応援に駆けつけてくださり、応援し続けていただいています。

「応援される選手になる」ことを目標にしている知保は、泳ぐ前には必ず一礼しています。心のあり方も含めて、自分のすべての行動に責任と自覚を持ち、泳げる身体、泳げる日常に感謝するように伝えてきました。「タイムが速くなる」よりも前に、まず周囲から学ぶことを忘れず、町内の活動や行事にもできる限り参加していました。

4月からは社会人になりますが、「がんばっているのは自分だけじゃない」と考え毎日の暮らしを大切にしてほしい、と思います。

私たち家族は、家族であっても「距離感」を大切にしています。本人の進む姿を３歩下がって見守りたいと思っています。これからもチャレンジを続け、きっと翼を大きく広げて世界へ羽ばたいて行ける、と信じています。

今回はホームページへの掲載機会をいただき、ありがとうございました。